陶器 信楽焼

信楽焼の魅力

美しいフォルムに隠された日本の伝統技
信楽焼 信楽焼の魅力はなんといっても素朴なまでの土の風合い、自然の豊かさをそのままいかした力強さといえます。絵付けを施した商品が少ないため釉薬の種類が多く、大物づくりの成形、乾燥、焼成技術といった工程においても信楽焼ならではの特徴が息づいています。

信楽焼の特徴をご紹介します。

代表的な特徴

自然釉 うわぐすりをかけないで焼く。灰が溶けて自然にうわぐすりをかけたようになる。
火色 焼成することによって表面にほの赤く、あるいは薄いかき色のような色になる。
焦げ 薪の灰に埋まる部分が黒褐色になった溶岩のような色になる。

これらが登り窯・穴窯における信楽焼の特徴であり、「古信楽」と呼ばれる信楽特有の土味を発揮して、素朴で暖かい情感を表わしています。他にも植木鉢や火鉢に見られる「なまこ釉(日本海の海の色 濃青 に近い)」 また、絵付の商品が少ないためか釉薬の種類が多く、大物造りの成型、乾燥、焼成技術なども信楽焼の代表的な特徴です。

●信楽焼の陶器購入はこちら

粘土

■木節粘土とは

 亜炭層(大昔の植物の朽ち果てた層)からの採掘により有機物を含有するため、原土の色は、灰白色・暗褐色・灰青色を呈し、焼成を行った後の色は黄白色を呈す。
  土の粒子は微細なために乾燥時の収縮及び乾燥強度等が大きい。粘性が大で耐火温度は摂氏 1690℃から 1770℃である。

■蛙目粘土とは
1.A蛙目粘土
 木節粘土の上層から採掘される。原土の色は木節粘土と良く似ており灰白色・暗褐色・灰青色を呈し、焼成を行った後の色は黄白色を呈す。この蛙目の粘土分及び珪石分の含有比率は粘土60%から70%、珪石30%から40%の割合である。耐火温度は摂氏1690℃から 1770℃である。

2.B蛙目粘土
 原土の色は青味や白味及び赤味のものがある。焼成を行った後の色は黄白色及び白色に近い色を呈す。特にこの種のものは珪石及び長石質が多く含んでおり、その比率は粘土30%、珪長石70%の割合であり、粘性は少ない。

■実土粘土とは
 信楽地域に多く産出する。原土の色は青色を呈し、焼成を行った後の色は赤茶色を呈す。この粘土は鉄分 (Fe203)を多く含んでいるため収縮率が大きく又、粘性が大であり信楽独特の地肌の色を出すのに最適な粘土と言える。耐火温度は摂氏1500℃である。

■珪長石とは
 一般的に長石と称する。長石の種類にはゾーダ長石、カリ長石、灰長石の三つの基本的な成分で構成されているものがある。
  各長石の用途として、杯土(粉砕と原土のブレンドされた陶土)に混入する原料や釉薬等の原料として使用される。特徴として耐火度が低く溶けやすい。